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第六話「かにのおんがえし」
 むかし、宝蔵院のちかくに、おみよという 女の子がいました。
 ある秋の日、中福生のしんせきから、つやつやした まっ赤な柿を たくさんもらって かえってくると、小川で沢がにをつかまえて、やいてたべようとしている 男の子に あいました。

「ま、かわいそ。おらに そのかに くれねぇかや。そのかわり この柿やんからよ」

 みるからに おいしそうな 柿だったので、
「うん、いいべぇ」
 男の子は、かにと柿を、さっさと とりかえました。おみよは、
「もう、つかまるんでねぇよ」
と、もらったかにを、小川に はなしてやりました。かには、うれしそうに 石のあいだへ もぐっていきました。

 それから、しばらくあるいていくと、こんどは 大きなへびが、かえるをのみこもうと していました。そのあたりでは、ときどき 大きなへびが ニョロニョロでてきて、人に かみついたりするので、村人たちは とても こわがっていました。

「へびどん、へびどん、そんな かわいそげなこと しねぇでくんろ、のまねぇでくんろぃ」
 おみよが たのむと、へびは ジロリ、とみあげて、
「じゃ、かわりに なにをくれる」
と、ききました。
 おみよは、かにと柿を とりかえたばかりで、なにもありません。
 こまった おみよは、
「その きゃぁろを にがしてやったら、おら、おめぇの よめさんに なってやってもいい」
と、いってしまいました。
 へびは それをきくと、かえるを口からはなして、三日たったら むかえにいく、と やくそくしました。
 おみよから、そのことをきいて、父と母は びっくりぎょうてん。
 大いそぎで、へびが 家のなかに はいれないように、戸やまどに 木をうちつけました。一日めの夜も、二日めの夜も、こわいやら きみがわるいやらで、おちおち ねむることが できませんでした。
 三日めの夜、おもての戸を、コツコツ たたくものがいました。戸のすきまから、そっと のぞくと、りっぱなきものをきた、若い男が たっていました。その二つの目は、きみわるく、金色に ひかっていました。
「やくそくどおり むかえにきた。はやく でてこい」
 おみよは ブルブルふるえて、声もでません。そのへび男は、戸をあけようとして、戸やまどが、くぎづけに なっているのを みつけました。
「よくも だましたな!」
 へび男は、カーッと、赤い口をあけて たちまち 大蛇にへんしんして、家にからみつきました。
 そして、ふといしっぽで、ドシン ドシンと、やねをたたきはじめました。
 ギシギシ、メリメリッ
 家は、いまにも こわれそうな音を たてました。三人は、だきあって ねんぶつを となえました。
と、そのとき、
「ギャーッ」
 そとで、ものすごい ひめいがしました。バタバタ はねるような音も きこえました。
 それからは、なにごとも なかったように、シーンと、しずかになりました。
 しばらくして おみよは、なにがおきたのだろうと、こわごわ そとへでてみました。
 すると そこには、いわのような 大きなかにがいて、まわりには、へびが、ズタズタにきられて ころがっていました。
 おみよが びっくりしていると、かには みるみる 小さくなって、沢がにになりました。そのかには、小川で、男の子に たべられそうになった、あのかにでした。
 沢がには、「もう だいじょうぶ」と、いうように、はさみをふりながら 多摩川のほうへ、坂を おりていきました。
 おみよに たすけられた 沢がには、おみよに おそいかかったへびを、はさみで ちょんぎって、おんがえしをしたのです。

 いつごろからか、その坂は『かに坂』とよばれ、お地蔵さまが たつようになりました。そのお地蔵さまは「かに地蔵」といって、村の人たちを、こわいへびから まもってくれた、ということです。

お母様へ
●大蛇と蟹の闘争
 神話の八岐大蛇伝説にあるように、竜蛇が河川の化身であることは広くいわれていますが、同様に、蟹は河原の泥砂だともいわれます。洪水で荒れ狂う河川(蛇)に対して、堤防としての川岸の泥砂、州丘(蟹)が対抗する、という意が、へびかに合戦の背景にあるものと思われます。
●蟹坂
 かにざか公園口にあって、旧玉川上水が洪水で決壊したために、新しく水路を掘りかえた所です。近くの新堀橋際に、海神である金比羅様を祭ってあるのをみても、いかに水難の歴史があったかがうかがわれます。
●かに地蔵
 いぼとり地蔵ともいわれ、供えてある小石で皮膚のいぼをこすると、きれいにとれたそうです。なお、疣、瘡を古語でカニというそうです。現在、宮本墓地に立っています。
●宝蔵院橋
 今の宮本橋です。宝蔵院は廃寺となり、現在は観音堂として残っています。
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