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第七話「福が生まれた沼」
 むかし、長沢のあたりに きれいな沼がありました。沼のほとりに、病気の母と、杉作という男の子が すんでいました。

 ある朝、杉作は、畑のすみで さむさにふるえて ないている、まっ白な子犬を みつけました。家につれてかえり、なまえをシロとつけて だいじ だいじに そだてました。シロは、どんどん 大きくなりました。病気の母も、シロのかわいらしさに 心を なぐさめられました。
 ある日、杉作は、シロをつれて 沼へ魚つりに いきました。病気の母に、魚を たべさせたかったのです。

 さきにかけていったシロは、沼口のあたりで しっぽを ピン、と たてて、とまりました。
「なんだい、シロ。ここで つれっていうのかい」
「ワン」
 シロがへんじをするので、杉作は ためしに、そこへ つり糸を たらしてみました。すると、たちまちぴくぴくと、糸をひくでは ありませんか。
 シロも うれしそうに、しっぽをふっています。
 一ぴき、二ひき、三びき‥‥。あっというまに、杉作のびくは、いっぱいになりました。
 杉作は、いそいで家にかえり、
「おっ母、シロがよぉ」
と、そのことを はなしました。
「まぁ、なんて りこうな犬だべよぉ」
 よろこぶ母に、杉作は、うでをふるって ごちそうをつくって やりました。
 それをみていた、となりの 大きい男の子が、
「おい、おらにも その犬かせ」
と、いやがるシロを ひっぱって いきました。
 その子は、人のものを なんでもほしがる よくばりっ子でした。こしに、なたをさげていて とてもこわいのです。
「やい こら、どこに魚がいるんだ。はやく おせぇろ!」
 つりざおで、シロを たたきました。
 シロは いたがって、
「キャン」
と、なきました。
「そうか、ここか」
 ところが、よくばりっ子の つりばりにかかるのは、いもりや きたないごみばかりでした。
 おこった その子は、こしのなたを ひきぬいて、シロを、きりころして しまいました。
 杉作は、なきながら シロのおはかをつくり、おせんこうを たてました。
 すると、おはかの上に、一本の竹の子が ひょっこり かおをだしました。
 竹の子は、みるみる しなやかな竹になって、のびていきました。
「きっと、シロの うまれかわりだべ」
 杉作は、その竹を つりざおにして、沼へでかけると、びっくりするほど 魚が つれました。

 ところが、また、となりの よくばりっ子がきて、そのつりざおを とりあげていきました。でも、やっぱり つれるのは、がらくたや きみのわるいもの ばかりです。
「くそっ、この つりざおめ!」
 よりばりっ子は わめきながら、なたをふりまわして つりざおを 八つにきって、足でふんづけました。
 すると、きられた竹は、たちまち 八ぴきのへびに へんしんして、よくばりっ子の くびや手足に からみついて かみつきました。
「ギャーッ」
ドッボーン
 よくばりっ子は、ひめいをあげて 沼におちて、おぼれしんで しまいました。あしのかげから、それをみていた 杉作は、びっくりして とびだしていきました。

 すると、いきなり、沼のなかから 大きな まっ白なこいが 水音たかく あらわれました。
 杉作は、またまたびっくり。
「わしは、この沼のぬしじゃ。おまえは、親おもいの いい子だから、そこの びくをあげよう」
 いわれて みると、あしのはえている きしべに、大きなびくがありました。杉作は、こわごわ びくのなかをのぞくと、魚のたまごが いっぱい入っていました。杉作は、ふしぎに おもいながら、家にもってかえると、びくのたまごは、いつのまにか ピッカピカのこばんにかわっていました。
 杉作は、そのこばんで 母のくすりをかうことができました。母は、すっかりじょうぶになり、二人は、とてもしあわせに くらせるようになりました。
 杉作は、のこったこばんを 村中にわけてやったので、村の人たちも みんな ゆたかになりました。

 それからは、その沼を「福が生まれた沼」と、よんで、みんなで たいせつにしたそうです。

お母様へ
●福生の地名について
 沼沢(長沢)→福沢→福生になったのでは、という人や、アイヌ語で、「沼のほとり」のフチチャがフッチャ→フッサ→福生になったのでは‥‥、という人もいます。
 いずれにせよ、長沢が近来まで池端(いけっぱた)と呼ばれていたことや、堂川の存在を考え合わせれば、沼地だったかもしれません。
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